このたび夫の部屋から3冊の本が発掘された。というより救出され、持ち主である私の元へ帰還を果たした。 夫の部屋は、大切なものなのかゴミなのかわからないもの(私から見るとほとんど後者)で溢れかえっており、本棚にも二重三重、縦横ナナメに本などがぎゅうぎゅうと詰まっている。資源ごみ置き場の方がはるかに整理されているといったカオスであり、紙たちの末路に合掌しそうになる。 オリンピックでJAPANや日の丸を毎日目にしていることもあって、日頃よりも「日本人」を意識したためだろう。私の(まあまあ整頓された)本棚にあった「情緒と日本人」(岡潔著;2008年第1版第1刷)が目に留まって読み返してみた。「はじめに」…