序文・勤皇の志士たちを助けた 堀口尚次 日柳燕石(くさなぎえんせき)〈文化14年 - 慶応4年〉、江戸時代末期の志士。讃岐国那珂郡子松郷榎井村字旗岡〈現・香川県仲多度郡琴平町〉の出身。幼名長次郎のち耕吉、諱は政章、字は士煥、号は燕石。 父は加島屋惣兵衛が五十七歳、母は幾世が三十八歳の時の子である。幼少時代から気が鋭く、伯父の石崎近潔に学び、その後13歳で琴平〈松尾村〉の医師・三井雪航に学んだ。三井雪航や岩村南里に経史・詩文、奈良松荘に国学・歌学を学んだ。詩文に天賦の才を持ち書画をよくした。 当時の榎井村は幕府直轄地で、豪商・豪農が軒を並べており、その財力や文化程度は高く、また隣の松尾村の街には…