江戸から明治へと向かう激動の予兆は、すでに天保の時代に火種として燻っていました。今回お届けするのは、甲斐一国を震撼させた未曾有の民衆蜂起「天保騒動(郡内騒動)」の物語。郡内とは現在の山梨県都留市地域です。権力側が書いた「一揆」という言葉では括りきれない、飢えと怒りに燃えたアウトローたちの真実を、裏社会の視点から紐解いていきます。 1. はじめに:甲斐一国を震撼させた「天保騒動」の幕開け 天保7年(1836年)、甲州は絶望の冬を前に、すでに燃え上がる準備ができていました。数年来の冷害による「天保の飢饉」が山深い郡内地方を直撃し、耕地の少ないこの地では米価が狂ったように跳ね上がっていたのです。 人…