十二月大歌舞伎一部・二部を観劇。その感想を綴る。 一部は愛之助と松也による変化舞踊『弥生の花浅草祭』。「三社祭」として上演される事は多いが、この通しはあまりかからない。数年前に松緑と坂東亀蔵で観た舞踊。愛之助は出石で踊った事があるそうだが、松也は初役。ただ「三社祭」は自主公演で踊ったのが初めてだったとの事。 四変化の踊り分けだが、常磐津→清元→常磐津→長唄と伴奏が変化して行くのも面白い趣向。幕開きは常磐津で「神功皇后と武内宿禰」。ここではまず松也の神功皇后がいい。この優は女形出身だが、どこか動きが硬く感じられるのが難点だと思ってきたが、この神功皇后は優美な中にも女武人としての強さもあり、気品も…