ある日、考古学者ガッチー・ジョーンズは思い悩んでいた。 コロナ禍になってから早1年。この間、レコード発掘調査という彼のライフワークはすっかり滞ってしまっていた。相棒Mr.ノブサップと共に調査へ出かけたのが昨年の夏。もう半年以上、相棒とも会っていない。レコード発掘調査には危険が伴う。いろんな人々が触った中古レコードを上げたり下げたりするのだ。危険すぎる。しかしコロナはまだまだ収束しないだろう。 「もうダメだ。私には生きている理由が見当たらない。」 自暴自棄になりかけたその時、 「ワンワン!」 耳をつんざくような犬の鳴き声が聞こえた。ジョーンズが顔を上げるとそこには、 柴犬の「うめちゃん」が彼に向…