からみ合い:南条範夫 1959年(昭34)7月~12月、雑誌「宝石」連載。 1959年(昭34)光文社、カッパ・ブックス。 1973年(昭48)講談社、現代推理小説大系 16巻 所収。 1981年(昭56)徳間文庫刊。 巨額の遺産相続をめぐる人間模様を描く、しっかりと構成されたサスペンス小説だった。胃癌で余命半年を自覚した実業家が財産を整理するとかなりの巨額に及ぶことを知った。彼には若い美人の妻がいるだけで、子供はいなかった。夫婦関係は冷え切っており、彼は思い切って、昔関係した4人の女にそれぞれ産ませていた子供にも相続させることを決断し、会社の秘書や顧問弁護士にその調査を依頼した。 4人の子供…