訓読 >>> 1770みもろの神の帯(お)ばせる泊瀬川(はつせがは)水脈(みを)し絶えずは我(わ)れ忘れめや 1771後(おく)れ居(ゐ)て我(あ)れはや恋ひむ春霞(はるかすみ)たなびく山を君が越え去(い)なば 1772後(おく)れ居(ゐ)て我(あ)れはや恋ひむ印南野(いなみの)の秋萩(あきはぎ)見つつ去(い)なむ子ゆゑに 要旨 >>> 〈1770〉みもろの神が帯となさっている泊瀬川、この水の流れが絶えない限り、私があなたを忘れることがあろうか。 〈1771〉後に残された私は恋い焦がれてばかりいるでしょう。春霞がたなびく山を、あなたが越えて行ってしまわれたなら。 〈1772〉後に残された私は恋…