小さき人たちの渾身の戦いの記録。 長くて暗いテーマだから、あまりほかに観る人もいないだろう。 天邪鬼の僕としては、永久保存版にして何度も観よう。 砂浜に打ちては返す波のように、人は水俣を繰り返すだろう、フクシマを繰り返すだろう。 所詮、人は他人の痛みなど分かりはしないのだ、分かろうとはしないのだ。/ 少年は、浜で拾った貝をオヤツ代わりに食べていた。 弱ってバタバタ浮いている魚を家に持ち帰っては食べた。 その頃、近所でカラスの死骸をたくさん見かけた。 涎をたらして踊り狂う猫を見た。 「公害」と言い、「病」と言う。 加害者などどこにもいないかのよう。 チッソの加害にすぎないのに。 因果関係を産官学…