封切り二日目。 席数335の【SCREEN6】の入りは三割ほど。 あることをきっかけに過去の記憶が蘇えり、それを元にした小説をモノするのは『マルセル・プルースト』の〔失われた時を求めて〕に代表される仕掛け。 もう一つ、今は売れなくなってしまい家族にも見放された作家が自身の体験による新作で再生する、これも有りがち。 手垢の付いた二つの要素を組み合わせたにもかかわらず、しかしなかなかの良作に仕上げているのは、脚本/監督の『金沢知樹』の手柄もやはり自分の子供時代の記憶は盛り込まれているのだろう。 こうした{私小説}に近い構成の物語はやはり強い。 誰しもが自己の昔と重ね合わせ「ああ、そういえば僕にも/…