いいタイトル。ディック要素……懐古趣味(「パーキー・パットの日々」)、代替臓器で長生きする老人(『最後から二番目の真実』)、人造の疑似生物(『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』)、特殊なドラッグ(『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』)、非ヒト型異星人(「おお! ブローベルとなりて」)、物を時間移動させる(「ペイチェック」)、星間戦争(『ザップ・ガン』)、予知能力(「マイノリティ・リポート」)……等々がてんこ盛りで、序盤の設定が投げだされて身近なところに収束するところもいかにもディックらしい、というのは解説の通り。視点はほとんどが主人公であるエリックでごく一部が妻のキャシーに移るだけ。ディッ…