元禄6年1月26日。曇。亭午(正午)文左衛門は三宅九郎三郎・相原藤蔵と連れ立って古井の八幡を訪ね、そこから馬捨場、人焼場を初めて巡見する。
元禄5年4月26日。夜半になって乱心相模市之丞が牢を抜け出し、鎖を解いて藪を払いながら中野分蔵のところへたどり着く。下女が水を汲もうと戸を開けて出ると表へ走り出す。僕に編笠を借り、たばこを貰う。建中寺に入り、白米1升、鳥目(穴の開いた銭)100穴を貰って去って行く。親類は大いに驚いて方々へ人を探しにやる。27日申の刻(午後3時)、古井の八幡を訪ねた山口善六・相原源蔵が捕まえる。