Quellenkritik
歴史学における代表的な方法論。ランケが提唱。 残されている史料を鵜呑みにするのでなく、真正の物か、どういう意図で残された物かを見抜くこと。 ものすごく単純化すると、「史料の嘘を嘘と見抜けない人には(歴史学は)難しい」ということ。
政子が悪女認定されるのは江戸時代 d(^_^o) 頼朝の血筋が絶えたのは嫉妬深い政子のせい! それが当時の儒学者達の「見識」でした (・_・) 儒教に於いて男系子孫の断絶は不孝の極み! 女子は子孫の頭数に入っていません (・_・) 江戸時代には女大学何てモノもありました。 ja.wikipedia.org 嫉妬深い妻は離縁 (*`∧´)/ だってさ ( ̄∇ ̄) tanken.com 頼朝の愛人宅を襲撃させた政子! www.nippon.com しかし、京には妻が妾を制裁する後妻打ち(うわなりうち)という習慣があった様です。 ja.wikipedia.org 藤原道長の五男、教通の乳母が30人の…
歴史というと中・高校で学ぶ日本史/世界史を思い浮かべる人が多いと思います。 学習方法は主に暗記で、一夜漬けでも何とか点はとれてしまったり、それ故に楽しみどころが分からず学習意欲を削ぐ科目になりがちだったかもしれません。 けれど大学での歴史はそんな予定調和とは真逆の、理系的な視点も試される学問です。 今回は実際に大学の歴史学科(史学科)で学んだ筆者が大学ではどんな歴史を学ぶのか、 その学び方や授業構成などについて、体験談をもとにありのままに書いていきたいと思います。 大学や時代専攻などによって多少の違いはあると思いますが、なんとなくでも学問としての歴史について想像してもらえる機会になれば幸いです…
私はブログをやっています。 更新頻度が遅いですが、インスタもやっています。 更新全くしていませんが(笑)、Facebookも一応やっています。 こういったSNSに慣れていると、つい「私語り」に慣れてくるのですが、論文やレポートにおいて「私語り」をしてはいけません。 「私語り」とは、たとえば、「私は思う」などの文章です。 推論のように書いて、ごまかしているのです。 史料ではなく、ネット情報で論文やレポートを書くと自信がありません。 自分の意見ではなく、事実を書くことが必要で、そのためには裏付けをとらなくてはなりません。 事実とは、然るべきテキストや調査によって審議を客観的に確認できるものです。 …
人工知能学会誌の表紙をめぐる件で、表紙について最初に問題視したのは会員という話について - 法華狼の日記 はてなブックマークで、注目コメントの最上位で下記のような質問があった*1。 [B! 表現の自由] 『人工知能学会』の表紙をめぐる件と、警察が教育コンテンツにVTuberを起用した件が、年月をへて当時の文脈が忘れられているので反論をメモしておく - 法華狼の日記 id:tikuwa_ore 「最初に問題視したのは人工知能学会の会員でフェミニストではない」って、当時も現在もそんな話聞いた事ないので興味津々で読んでみたが、ソースなしの個人ポストが引用されてるだけだった。ソースお待ちしてます。 温…
アイヌ通史: 「蝦夷」から先住民族へ 作者:リチャード・シドル 岩波書店 Amazon 漫画『ゴールデンカムイ』完結後、作中で描き切れなかったアイヌ差別や植民地支配の歴史を学ぶために読書会を開いています。今回は、リチャード・シドル 著 , マーク・ウィンチェスター 訳『アイヌ通史 蝦夷から先住民族へ』(岩波書店、2021年)を読みました。以下は、読書会開催時の議事録を公開用に編集したものです。 (開催日:2023年9月~2024年3月)
『人工知能学会』の表紙をめぐる件と、警察が教育コンテンツにVTuberを起用した件が、年月をへて当時の文脈が忘れられているので反論をメモしておく - 法華狼の日記 「最初に問題視したのは人工知能学会の会員でフェミニストではない」「問題にされたのは女性表層と家事の結びつけで性的表現ではない」「一連のシリーズは騒動と同時進行で発表されたので幾らでも後付け可能」「学会誌側は特集を早期に組んでて明らかに騒動を認識している」— ぺんでゅらむ@大阪 (@pendulumknock) 2024年11月27日 そういえば炎上については『人工知能』2014 年 29 巻 2 号に小特集があったんだ。古い号なので…
十一月と云うものは、おそらく瞬きよりも速いに違いない。何かをしたとも思えないうちに、あっと気が付けば月末である。とは云えぼく以外の方々は11月祭や東京文フリに向けて忙しく動いており、宣伝しておくと、まず11月祭で刊行された京都大学推理小説研究会の機関誌『蒼鴉城 第五〇号』――今年でなんと五〇周年!――は、近日中にBOOTHでも販売される予定である。東京文フリにも出店するらしい。 その東京文フリでは、鯨井久志さん主催の『カモガワGブックス Vol.5 特集=奇想とは何か?』に「奇想が殺す——推理小説と奇想について、偏愛する短篇を三つほど」と云う短いエッセイを載せてもらった。表題通り、ぼく自身が奇…
広島の高1・高2は勿論、それ以外の地域の方も、是非、お読みになってご活用ください。 進路選択。。。自分自身の人生に大きな影響を及ぼす選択なので難しいですよね。 でも、早く決めれば決めるほど、科目を絞って受験対策が出来て有利なことは皆さんよくご存じだと思います。 私の1学年上の先輩(中学・部活・高校も同じ)も、高1の時から早稲田の政経に絞って勉強をして現役合格をしてビックリ(すみません。そこまでの頭の良いイメージはなかったので。。。)しました。 また、教師を目指して教育学部に進学するものは理系クラスに進んで、当時の共通一次試験で高得点の取りやすい「地学」を選択し、中身は文転する人が多かったです。…
日本の古代史って、大和朝廷のプロバガンダコメントを鵜呑みにすると、ファンタジック作品にしかならないので、史料批判が欠かせないのですが、近年は他国古文書や墓碑文、石碑文などを比較検討しつつ解読が進んでいるようなので楽しいです。 加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか (中公新書) 作者:仁藤敦史 中央公論新社 Amazon 近年、日本書紀の五、六世紀の朝鮮半島に関する記述は古代百済の記録を参考にしているらしく(百済滅亡後に百済遺民が日本に逃亡しており、彼らの協力のもと、日本書紀は編まれたらしい)、また広開土王碑文は亡き父王を顕彰する目的で建てられているので広開土王が撃破した『倭』も誇大に描かれ…
新緑の風にゆられて 作者:常盤 新平 講談社 Amazon 9月12日の視聴 ・『SONGS「あいみょん」』 →まあまあ前回⇩から間が空いてたのね。 【2022年『1月10日の視聴』→https://moritsin.hatenablog.com/entry/20220118/1642474720】 …NHK MUSIC SPECIAL⇩でも出てたから、しょっちゅう見かけてた感じするけどね。 【2023年『1月28日の視聴』→https://moritsin.hatenablog.com/entry/20230220/1676822759】 →「愛の花」(2023)。朝ドラ『らんまん』! →音…
津軽半島の西に十三湖という岩木川他数本の川が流れ込む汽水湖がある。昔、ここを拠点に北海道からオホーツク、沿海州にかけて交易で活躍した豪族「安東氏」がいたという。 だが、この「安東氏」、どこから現れたものか、また何故、忽然と消えたのか? 学生時代、国史専攻の友人が、研究テーマにすると言っていたので、覚えているが、この「安東氏」については、十三湊で繁栄した痕跡が途絶えたあとは、追いかけようもないと思って失念していた。 △ この間、TVをつけたら司馬遼太郎の「街道を行く」の新シリーズの中の「北のまほろば」(1994年1月取材旅行)をやっていた。 「街道を行く」は何年も前に全43巻を読んでいる。 この…
植戸万典(うえとかずのり)です。今年はずっと夏が続いて、なかなか秋が来ませんでした。「終わらない夏」って設定もラノベっぽくて悪かぁないですが、現実的にはちゃんと暑さ寒さは彼岸までにしてほしいものです。そうかと思えば、うかうかしてたらすぐに冬に入っていきかねない雰囲気もしてきました。忘れる前に8月のお話をしておきますし、本文の歴史的仮名遣ひは現代仮名遣いに改めています。 コラム「あの日の空、日傘の夏」 ジリジリと日光が肌を焦がす。数年前から夏は日傘が手放せなくなった。最近は男性の日傘使用率も上がっているというが、自分の場合は美容のための日焼け対策だなんて理由ではない。熱中症から生命を守るために陰…
ピリカ チカッポ(美しい鳥) 知里幸恵と『アイヌ神謡集』 作者:石村 博子 岩波書店 Amazon 漫画『ゴールデンカムイ』完結後、作中で描き切れなかったアイヌ差別や植民地支配の歴史を学ぶために読書会を開いています。第5回は、知里幸恵の評伝を読みました。以下は、読書会開催時の議事録を公開用に編集したものです。 (開催日:2022年11月)
アイヌからみた北海道150年 作者:石原 真衣 北海道大学出版会 Amazon 漫画『ゴールデンカムイ』完結後、作中で描き切れなかったアイヌ差別や植民地支配の歴史を学ぶために読書会を開いています。第3回は、アイヌ自身の言葉で歴史を語った本を読みました。以下は、読書会開催時の議事録を公開用に編集したものです。 (開催日:2022年8月)
https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2024/06/01/113707 「山形市「盃山遺跡」を探る「特別ミッション」…中世城館以外での石垣の登録事例の備忘録」… さて、上記を前項として。 関連項は下記。 https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2022/11/14/194659 「対岸の状況はどうだったのか-3、あとがきの後日談…「姓氏家辞典」にある安藤氏、そして「修験道、日蓮宗、九曜紋」と言うキーワード」… https://tekkenoyaji.hatenablog.com/entry/2023/05/…
松薗斉さんの論文「『蒙古襲来絵詞』についてーその文化史的考察ー」(「人間文化」愛知学院大学人間文化研究所紀要39)を読みました。数ヶ月前、軍記物語研究で蒙古襲来絵詞を扱った論文にはどんなものがあるか、と質問されて、はたと考え込んでしまいました。軍忠状が軍記物語のもとになった、つまり、合戦場での手柄を認めて貰うための記録、口伝えが軍記物語の底流にある、という論は一時期よく言われ、その実例としてこの作品が挙げられたのは周知のことですが、蒙古襲来絵詞そのものを軍記文学として論じた論考があったっけ、と考えてみても思い出せません。私が不勉強なだけかも知れないのですが、軍功を語り伝え、後世に残すことが武士…
歴史学はこう考える (ちくま新書 1815)作者:松沢 裕作筑摩書房Amazon 歴史学の「方法論」の概説書。 「歴史とは何か」とか「歴史学の諸思想」とかではなくて、歴史学の論文がどのように書かれているのか、歴史学者は論文を書くときどのような作業をおこなっているのか、を解説している。……というちょっと変わった歴史学の本。 ポイント 歴史学の論文は、「史料には何が書かれていて、そこから何がわかるのかが示される」という書き方になっている。 論文がどう書かれているか、どう読むか。筆者の考えはともかく、まずなにが主張されているかを読み解くことが重要。(これは歴史学の論文に限らないことだが…) 歴史学は…
この本は三部から構成されている。Ⅰ「太平洋戦争とは何かを考えるために」、Ⅱ「なぜ始めたのか、なぜ止められなかったのか」、Ⅲ「太平洋戦争を「読む」」、が三つの柱のタイトルだ。「物語」批判が大事だと考える文学者・奥泉光と、史料批判なしに歴史は書けないと考える歴史家・加藤陽子(著者)が、日本近代の画期をなした言葉や史料を読み解きながら対談を行った。 [#地から1字上げ](おわりに、二七七頁) [#地から1字上げ](この国の戦争・太平洋戦争をどう読むか、河出新書、2022年) Ⅰ部では、おおむね一九世紀半ばの幕末維新期から一九三一年の満州事変期までを対象として、採り上げた史料やその歴史的背景をまずは筆…