趣意文 2025年に新曜社より刊行された『ネオリベラリズム概念の系譜 1834–2022』の合評会を開催いたします。 現代の社会科学において、「ネオリベラリズム」あるいは「新自由主義」という語の使用はごく一般的になっています。またこうした学術的文脈を超えて、雑誌やSNS上などで「ネオリベ」批判などが見られることも、今や珍しくありません。他方で、こうした専門用語の一般化・拡散は、この言葉の有意味性そのものに対する疑問を生み出すようにもなっています。 本書は、こうした知的状況を背景に、西欧・北米における “neoliberalism” の概念史に正面から取り組んだ、稀有な著作です。自称/他称という…