ドラマの劇中、剣術の稽古をつけている師匠が弟子に対して「集中してないな、今日はこれで終わりだ」と言った。師匠は弟子の様子を見て、内面までも分かるようだ。私にも実際にこのようなことはあった。茶の湯のお稽古をつけていただいているときのことだ。普段から弟子がどの程度の技量でどのような点前をするか、ということは師匠は分かっている。そこの僅かな差が見えてしまうものと思われる。そしてその原因は心であるということも見透かしている。 吊釜の季節です。 茶の湯の稽古は、口頭で指導される。基本的にはやって見せるという教え方ではない。あとは、他の弟子の稽古や所作を見て、学びを深めていく。そういうこともあり、お茶の先…