周礼は、儒家が重視する経書で、十三経の一つ、『儀礼』・『礼記』と共に三礼の一つである。
周王朝の理想的な制度について周公旦が書き残したものとされるが、実際には戦国時代以降の成立と見られる。
周代の官制について非常に詳しく記述されているが、信用は出来ない。実際に金文とは食い違いを見せている。
この書物は、新の王莽が前漢から簒奪する際に道義的な後ろ盾としており、王莽の側近である劉歆により捏造されたのではないかとする見解もある(例えば南宋・洪邁『容齋続筆』巻16「周礼非周公書」、清末・康有為『新学偽経考』「漢書劉歆王莽伝弁偽第六」)。
王莽のほかにも王安石もこの書物を後ろ盾として利用しており、大きな政治的改革・改変を行う際によく口実とされる。
現在通用している『周礼』は、『十三経注疏』に収められた後漢の鄭玄注、唐の賈公彦疏が付けられた『周礼注疏』である。