訓読 >>> 1827春日(かすが)なる羽(は)がひの山ゆ佐保(さほ)の内へ鳴き行くなるは誰(た)れ呼子鳥(よぶこどり)1828答へぬにな呼び響(と)めそ呼子鳥(よぶこどり)佐保(さほ)の山辺(やまへ)を上り下りに 要旨 >>> 〈1827〉春日の羽がいの山から佐保に向かい、鳴きながら飛んでいくのは、誰を呼ぶ呼子鳥なのだろう。 〈1828〉誰も答えないのに、響くほどに鳴くな呼子鳥、佐保の山の辺りを上り下りするにつけて。 鑑賞 >>> 「鳥を詠む」歌。1827の「春日」は、奈良市東部の山地。「羽がひの山」の所在は不明。「山ゆ」の「ゆ」は、~から、~を通って。「佐保の内」は、奈良市北部の佐保山と佐…