かつての下総国の北部だから北総と呼ばれる千葉県北部に、佐倉と佐原の街がある。どちらも、江戸時代には利根川・江戸川水運と街道により江戸と繋がっていた街で、このことによって街が成り立ち、今に残る個性ある文化が育まれてきたとして、一緒に日本遺産に登録されている。同じような所にあって、両方とも「佐」が付くから、私は二つの街を混同していた。しかしながら、両者には対比性のある違いがある。 まず佐倉。東京の都心から約40km。JR総武本線に加えて京成電鉄も通じ、東京の通勤圏内だ。佐倉の旧市街ではその感じはないが、市域の西部(東京側)には広大な住宅団地が開発されていて、市自体はベッドタウンの類いになる。 佐倉…