板倉聖宣の『日本史再発見』(1993)を読んでいたら江戸時代の相馬藩の人口推移を推定していた。参考文献に速水融などの歴史人口学の資料が参照されていないところを見ると独自に集計された結果なのだろう。 何にせよ江戸時代の人口推移が1720年台に転換点を迎え、相馬藩(福島県の東北部)は人口減と年貢の減少に悩まさるようになるという報告を科学史の専門家が出しているのだ。 その転換期に将軍になったのが徳川吉宗だ。当時としては英邁な統治者だった。しかし、彼の手腕を持ってしても「人口減」を人口増に戻せなかったようだ。もちろん各藩でも同様な努力は傾注したのだが.. その統治の結果をみてみよう。 これを歴史人口学…