幕末。外国人を日本から追い払おうという攘夷(じょうい)の思想が、国内に満ち溢れていました。この攘夷の思想は、やがて倒幕へと変わっていきます。万延元年(1860年)3月3日の雪の日に起こった桜田門外の変で、大老の井伊直弼が水戸浪士たちに襲撃されて斬られた頃は、まだ国内は倒幕を考えている者は皆無といってよく、攘夷が主流でした。しかし、この頃から、倒幕を意識し始めていた人物もいました。それは清河八郎です。