訓読 >>> 新(あらた)しき年の始(はじめ)の初春(はつはる)の今日降る雪のいや重(し)け吉事(よごと) 要旨 >>> 新しい年の初めの初春の今日、雪が降っている。この雪のように、ますます積もって行け、めでたい事が。 鑑賞 >>> 大伴家持の歌。因幡国に赴任して迎えた新年の天平宝字3年(759年)の正月1日、国庁で国司郡司らの役人を饗応した宴で作った歌とあります。因幡国の国庁は、今の鳥取市の東南に位置する国府町大字庁付近にあったとされます。この日は、暦の上の元日と立春が重なる、19年に一度の歳旦立春(さいたんりっしゅん)という特別の日でした。この歌は、御代のますますの栄えを予祝する歌ではあり…