タナトフォビアという言葉がある。日本語で言うところの死恐怖症だ。死を恐怖するって誰でもそうだろうと思ってしまいそうなものだが、そこはニュアンスが異なる。死というものを観念としてとらえ、想像したときに恐れるというのがこのタナトフォビアなのだという。 そう説明されると僕も死ぬことを必要以上に恐れたことがあった。しかも子どもの頃だ。夜、突然自分が死ぬこと、そして死んでしまうということは意識が消失するということ、それによって無になるということにえも言われぬ恐怖をおぼえたのだ。親はさぞかし困ったことだろうな。そのときの状況がタナトフォビアに該当するのかどうかはわからないけれど、自分の死について考えたとき…