石破茂首相は4日の所信表明演説で、日米地位協定の改定や「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)の公開基準の策定に触れないなど主要政策で「石破カラー」を薄めた。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件への対応も消極姿勢に転じ、旧安倍派への配慮をにじませた。首相は党内基盤が弱く、衆院選に向けて「挙党一致」を優先した格好だが、不誠実な変節は国民の政治不信を招く可能性もある。(川田篤志) ◆地位協定改定やアジア版NATOには触れず 首相は演説で「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と訴え、岸田文雄前首相が多用していた言い回しをあえて使った。防衛費を倍増した防衛力の抜本強化をはじめ、日米同…