世界的に統一された会計基準。グローバル化の現代、企業は国境を超えて世界規模で活動している。主にEU等で適用されている会計基準である。
国際会計基準(International Accounting Standards, IAS)は2001年以前の古い呼び名であるが、慣例としてそのまま使用されている。2005年より欧州連合 EU域内の法人に対しては強制適用とされている。
国際会計基準(IFRS)で損益計算書の開示ルールが2027年度から大幅に変わるようだ。 損益計算書の構造が変わって、「営業」「投資」「財務」の3区分が設けられることになる。この区分はキャッシュフロー計算書と同じで、損益計算書との比較がしやすくなるかもしれない。 会計上の利益というのは相対的なものだ。会計基準が異なれば計上される利益の額も異なることになる。だからできるだけどの企業も同じ会計基準を用いることが理想とされる。その理想に近づくために国際会計基準がある。 だが同じ会計基準でも異なる測定方法が存在するため、計上される利益が相対的であることにはかわりない。 そもそも会計上の利益を企業間で比較…
今回は、FRS中小企業版第3章財務諸表について、解説します。 財務諸表の構成 (1) 適正な表示 (2)継続企業 (3)表示の継続性 (4)重要性と集約 (5)比較情報 IFRSと日本企業会計原則の関係 日本における財務諸表の構成との比較 IFRS中小企業版財務諸表 日本財務諸表 税法が定める決算書 会社法が定める計算書類等 金商品取引法が定める財務諸表 企業会計準則が定める財務諸表 ここでは、財務諸表の構成とその作成にあたって基礎となる事項が示されており、日本の会計においても聞きなれた項目も登場します。 財務諸表の構成 財務諸表として、財政状態計算書、包括利益計算書、持分変動計算書、キャッシ…
今回は第2章概念及び全般的な原則についてみていきたいと思います。 IASBの目的に基づくIFRSの意義 IASBの目的 IFRSの意義 概念及び全般的な原則の構成 ①財務諸表の目的 ②財務諸表に含まれる情報(有用な情報)の質的特性 ③財務諸表にかかわる全般的考え方 概念及び全般的な原則の内容 ①財務諸表の目的 ②財務諸表に含まれる情報(有用な情報)の質的特性 理解可能性(Understandability) 目的適合性(Relevance: 関連性) 重要性(Materiality) 信頼性(Reliability) 実質優先(Substance over form: 形式より実質の重視) 慎…
今回は中小企業の意義について説明します。 IFRS中小企業版とは? 中小企業とは? ①公的説明責任 ②外部利用者 IFRS中小企業版とは? 中小企業向けに適用されるIFRSといえます。IFRSは主に:PIEs (Public Interest Entities)と呼ばれる大きな社会的利害関係を有する企業を対象としていることから、その内容が細かく区分され、極めて詳細な記述がなされていることから、一般の企業が普段の取引において参考とすることには適しません。そこで、一般の企業向けにIFRS中小企業版が作成されており、会計制度全体の包括的理解という意味でより実務的といえ、かつ、正式なIFRSとも大きな…
IFRS中小企業版の実務的活用の可能性について考えるとともにその内容についてみてみたいと思います。 IFRS中小企業版の全体の章立て 第1章 中小企業 第2章 概念及び全般的な原則 第3章 財務諸表の表示 第4章 財政状態計算書 第5章 包括利益計算書及び純損益計算書 第6章 持分変動計算書並びに純損益及び剰余金計算書 第7章 キャッシュ・フロー計算書 第8章 財務諸表の注記 第9章 連結及び個別財務諸表 第10章 会計方針、見積り及び誤謬 第11章 基礎的金融商品 第12章 その他の金融商品に関する事項 第13章 棚卸資産 第14章 関連会社に対する投資 第15章 ジョイント・ベンチャーに対…