『圏外編集者』/都築響一/朝日出版社/2015年刊同/ちくま文庫/2022年刊 文学フリマというイベントが初めて開催された年、私が在籍していた大学のゼミでも、作品集を出品しよう、ということになった。自分たちの書いた小説(のようなもの)を一冊にまとめるにあたって、タイトルをどうするか、表紙デザインや本文レイアウトを誰が担当するか、小説以外にどんな記事を入れるか等々、いわゆる編集という作業を学生同士であれこれ話し合いながら進めた。 学期末になると、教授が招いた四、五人の編集者が講評をしてくれた。質疑応答の際に挙手をして「編集の仕事って、結局のところ何ですか?」と質問したのは、なんとなーくソレをやっ…