『女たちよ!男たちよ!子供たちよ!』/伊丹十三/文藝春秋/昭和54年刊 学生時代にアルバイトをしていた本屋では従業員向けの割引制度があって、会計の際にレジでネームプレートを見せると、一割引きにしてくれた。当時の私はこれがとっても嬉しくて、それにテナントビルの地下一階から五階を占める大型書店には欲しい本がいくらでもあって、退勤後に本を買って帰るとその日のバイト代がほとんどチャラになってしまったり。これじゃなんのためのアルバイトだかわからないなあと思ったものだった。 あれから二十年以上経った今も、似たようなことをしている。少しでも本を減らそうと思って一箱古本市へ出店する予定だったのに、あいにく雨で…