伊豫西條藩について 伊豫西條藩は、寛文10年(1670)に紀州連枝の松平頼純が入部して以来、約200年間を松平氏が治めて明治に至った。西條の松平氏は小藩ながらも定府大名であったから、その間、御留守居役の家老はもとより奉行・藩士らだけでなく、町役人・村役人・百姓・町民も一致協力して、今日につながる西條の町を徐々に整備・拡張しながら、明治へとつないできたものだろう。 しかし、松平氏以前に西條の城下町の基礎を築いたのは、一柳氏であった。そのまた以前にも古代の別君から越智氏・新居氏・河野氏・細川氏、石川氏、豊臣時代の諸大名や徳川時代の松山藩主らが代わる代わる所領としていたが、独立した伊予西條藩を最初に…