2/9 北見隆の表紙に目を引かれて借りてきた『たまご猫』(皆川博子)を読む。日常の隙間に存在する不条理へ、ふと飲み込まれてしまう怖さ。不条理の怖さもありつつ、人同士の情念の怖さもある。性と死は強く結びついているんだな~とぼんやり思った。あと、どの短編も鮮明に映像を喚起されるような文章で、それがまた怖さと美しさをはらんでいた。 2/12 沢村貞子が26年間にわたって書き綴ってきた献立日記を抜粋しつつ食に関するエッセイも収録された『わたしの献立日記』を近所の書店で買った。個人で営業されている小さな書店なのだが、私の好みっぽいけど私の本棚にない本が絶妙に置かれており、ときどき立ち寄ると楽しい。 献立…