昨日のブログでカットした、開拓団と匪賊(ひぞく)との壮絶な「終戦後の戦闘場面」を引用させていただきます。 【山崎団長は、のめり込むように死を求めた】と【みなが口々に、一緒に死のうと申し出た】の、あいだの部分です。 突然、団長が苦悶し始めた。誰よりも早く、毒をあおったのである。 しかし——死もまた、この律儀で小心な団長を抱きとってはくれなかった。毒薬の量を誤ったのか、彼は昏睡状態のまま人々に囲まれて一夜を明かした。 十六日朝、思いきって白城子に向かって出発しよう——と、一同の意見がまとまった。 この日から副団長の足立守三が団長にかわって指揮をとり、全員を六班に編成して、なお昏睡状態を続ける団長は…