戦国から、いきなり幕末の話になってしまった・・・すぐに話が逸れるのが、著者の悪い癖である。この記事では本筋と少し離れて、その後の日本の鉄砲と、特に大砲の技術的変遷について述べてみたいと思う。 江戸期に入ると幕府によって鉄砲と大砲の生産は規制され、技術的進化が止まってしまう。しかしペリー来航により太平の眠りから目が覚めた幕府は、鉄砲と大砲の生産をようやく解禁した――と思ったら、今度は各藩に異国船対策として「海陸お固め」を命じるのだ。各藩は慌てて湾岸警備に必須の、鉄砲と大砲の生産に取り組むことになる。 上記のような理由で注文が殺到したから、幕末において国産鉄砲の生産量は増大している。堺の鉄砲鍛冶・…