変はらじと 契りしことを 頼みにて 松の響に 音《ね》を添へしかな 🪷 源氏の君へ by 明石の上 〜変わらないと約束なさったことを頼みとして 松風の音に泣く声を添えて待っていました 【第18帖 松風 まつかぜ 22】 源氏は御堂《みどう》へ行って 毎月十四、五日と三十日に行なう普賢講《ふげんこう》、 阿弥陀《あみだ》, 釈迦《しゃか》の念仏の三昧《さんまい》のほかにも 日を決めてする法会《ほうえ》のことを 僧たちに命じたりした。 堂の装飾や仏具の製作などのことも御堂の人々へ指図してから、 月明の路《みち》を川沿いの山荘へ帰って来た。 明石の別離の夜のことが源氏の胸によみがえって 感傷的な気分…