はじめに 昨日(2月9日)、読売新聞は新型コロナウイルス感染症に関する興味深い記事を掲載しました [1]。昨年夏のいわゆる第2波の流行が、重症化しにくい変異ウイルスによる可能性があるという記事です。 記事の元ネタは、慶応大学の研究グループの研究成果 [2, 3] です。日本語による解説ウェブページも出ています [4]。この件については、昨年終わりのブログ記事「流行蔓延期の対策ーウイルス変異と市中無症状感染者の把握」でも取りあげました。ここでCOVID-19流行抑制対策の上での変異ウイルスの解析の重要性を、再度考えてみましょう。 1. 日本の流行パターン まず、これまでの日本の新規陽性者数と死者…