鍋に豆乳を1カップ入れ、チャイのティーパックをひとつ放り込む。ごく僅かな火で静かに煮詰める。決して、煮立たせてはいけない。静かにその時を待つ。 夏の暑さでとろとろに溶けたはちみつをたっぷりと入れる。甘い香りがスパイスの異国の香りとともに引き立つ。 忙しく動いている脈を落ち着けるには、これがちょうどいい。私の中ではこれが一番疲れた頭と体を癒やす至福のときなのだ。 はちみつといえば、はちみつは繊細らしい。はちみつの入った容器を強く置くと、それが結晶の要因となり、硬化してしまうようだ。実家にいた頃、クマ型の容器に入ったはちみつを私が手にしようとすると、母はよく「やさしくしてあげてね」と言っていた。 …