大学院重点化は失敗だった。1991年以降、東京大学大学院法学政治学研究科をきっかけに重点化を実施し、その後、他の国立大学も追随していった。その結果、大学院生は増加するものの、質の低下を招き、大学院修了後の就職先もない状況で、多くの無職の博士号取得者を生み出してしまった。しかもその惨状を見た学生が大学院を敬遠しはじめ、今度は定員割れも生じるようになった。 そもそも、日本の大学を含めた研究機関や教育機関における職は、少子化の流れで増えていくことはない。もちろん、大学数は増加したという事実はあるが、自由化の流れで認可の水準が下がり、新設大学が乱立したというだけであり、本当にそれだけの需要があったとい…