1990年代初頭から大学院重点化という取り組みがありました。 大学院重点化には、大学院で高度な教育を修めた人材を多く世に送り出し、様々な分野の底上げを図る、という政策的な意図がありました。その当時、技術立国なんてキーワードが使われ、欧米では先端技術分野において博士号が必須である、などと言った話があったと記憶しています。そこだけ聞くと、まあ、そうかな、と思いますね。 ただそれは、この取り組みを進める側の意図であって、それを受けとめる世の中側の意図とは必ずしも一致していなかったのだと思います。 当時はバブル崩壊の影響で求人が減り、第2次ベビーブームの団塊Jr世代が大学進学の年齢に差し掛かる時期でし…