会田誠さんは美術作家として生きていないから、そのつくるものはすーっと頭に入ってくる。心に染み入るのではなく、頭の中という自宅でこたつに入っているかのごとくいつの間にか鎮座している感じだ。 会田誠さんの作品 会田さんのことを何一つ知ってはいないのにそのように決めつけるのも失礼な話だが、同じような表現をしている他作家の作品群とは一線を画していると、彼の作品に出合うたびいつも思う。一つの絵画表現も、その展示方法も、一見誰でも作れそうで、美の程度に大きな差があり、今展の梅干しの絵も単なる静物画ではなく、食とは人との関わり合いの中で味わうものだということを、映像も含めた会場全体のインスタレーションで伝え…