三島由紀夫の遺作『豊饒の海』四部作の第二部。昭和42年発表。
豊饒の海 第二巻 奔馬 (ほんば) (新潮文庫)
豊饒の海(ニ)奔馬(ほんば)三島由紀夫新潮文庫 昭和52年8月30日発行 平成14年12月5日43刷 改版平成24年6月30日62刷(この作品は昭和44年2月新潮社より刊行された ) 豊饒の海の続き、(ニ)奔馬を読んでみた。 読み始めて、なるほど、(一)と、こうつながるのね。というのがわかる。 本の裏の説明には、「今や控訴院判事となった本多繁邦の前に、松枝清顕の生まれ変わりである飯沼勲があられる。「神風連史話」に心酔し、昭和の神風連を志す彼は、腐敗した政治・疲弊した社会を改革せんと蹶起を計画する。しかし、その企ては密告によってあえなく潰える。彼が目指し、青春の情熱を滾らせたものは幻に過ぎなかっ…
人の自然な不純さ 自分はこうありたいという思いは誰しもがあると思います。僕は理想像に近づくためにあれこれと努力しますが、大半は思い通りにはいきません。 その時々に言い訳を作ってだましだましやっていき、それは無意識にされることであってとても卑怯なことだと思います。しかし、それが人間が生きていくための防衛反応みたいなもので、 人間はそうやって卑怯で不純であって然るべきものだと思います。 もし、自分の言い訳を見つめすぎたら自分が嫌になって鬱になって自殺すると思います。 純粋とは なにかを純粋にするとはなにも意識もせずに行動することだと思います。 息を吐くために息を吸うなんてことはしない。無意識=純粋…
おはようございます。 早朝、名古屋から数少ない名張駅停車の近鉄難波行特急に乗り 名張で準急に乗り換えて桜井に到着。 前日の天気予報では「曇り時々雨」となっていて 三輪山登拝が出来るかどうか心配でしたが、 日頃の行いが良いからかw 朝の天気予報は「午前中は雨の心配なし」に変わっていました。 近鉄桜井駅から大神神社のアクセスは、 JR万葉まほろば線で三輪駅まで行くルートと バスで大神神社二の鳥居まで行くルートがあり、 バスの場合は神社のすぐ前まで運んでくれます。 バス停でバスを待っている時に 年配の女性から、奈良言葉で 「バスの行き先を間違えると長い距離を歩かないといけないので注意しなさい」 とい…
53年前の1970年の本日「11月25日」は三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊に乱入し割腹自殺をした日である。当時大学生で、三島のファンでもあった私は大きな衝撃を受けた。23歳年上の林房雄らによって、この日は「憂国忌」と名付けられた。 豊饒の海 全4巻 「春の雪」「奔馬」「曉の寺」「天人五衰」/三島由紀夫 ノーブランド品 Amazon 『豊饒の海』が三島由紀夫の最後の作品で、その後三島は市谷の自衛隊に乱入し隊員に決起を促し自決する。三島のライフワークといわれた『豊饒の海』全四巻が出た当時の大学時代、優れた構想とまばゆい文章に彩られた世界に魅入られむさぼり読んだ記憶がある。輪廻という考え方を下敷きにした…
2008年3月1日第1刷 2008年3月20日第2刷 帯封「孝明天皇暗殺の真相は⁉ 下級公家がいかに権力の中枢にのし上がっていったのか―歴史という魔物に挑み続けた永井文学の神髄、ついに刊行」「構想40余年。歴史の“虚”を剝ぎながら、卓越した分析力と溢れる好奇心で、真摯に史料と対峙し続けた評伝の最高峰。 とにかく、これを抱えつづけることで私は死なずに生きてきた、ともいえる。-あとがきより」 あとがきによると、著者は、直木賞を受けた直後に「岩倉具視を書きたい」と言うと、岩倉家嫡系の御子孫での岩倉具栄氏が手をさしのべてくださったとのことである。 本書は、下級の小公家岩倉具視、大久保利通、品川弥次郎と…
あさってが何気に悲惨だったり。 寒い中いくという悲劇な。 奔馬 豊饒の海(二)三島由紀夫 新潮社 2002年12月 楽天ブックスで探す Amazonで探す hontoで探す 紀伊國屋書店で探す 図書館で探す by ヨメレバ 国を憂いた一人の青年が起こした事件 感想 おわりに 終 国を憂いた一人の青年が起こした事件 今回の主人公は前作の美男子とは違い 剣道という武にたけている青年です。 そして前作の松枝家にいた 途中で離脱してしまう書生である 飯沼の息子です。 名を飯沼勲といいます。 そんな彼はる書物に出会って ある決意を固めるのですが… 感想 あまりにも彼は物事を疑うという 要素がなさ過ぎまし…
ちょっと信じ難いような話だが――。 京の街では昭和三年に至るまで、江戸時代が生きていた。なんと牛車が街中を相も変わらず往行し、その巨体が、体臭が、日々の暮らしの風景に、ごくさりげなく溶けていた。 (昭和初頭の京都駅) 牛車といっても貴人が使う、籠に簾に蒔絵にと、漆を塗られ黒光りする車体を更に装飾して彩った、高級車輛のことでない。 もっと簡素な、米だの酒だのなんだのと、重量のある荷物を運ぶ、輸送車輛の方を指す。 そもそも論を展開すれば、何かにつけて守旧を好む住民の気質も手伝って、京都は他の諸都市に比較(くら)べ、発展の遅れた街だった。 「時流に取り残されている」ということが、いっそ、却って、もう…
2023年10月1日(日)、拙著『立法者・性・文明――境界の法哲学』(白水社)が発売になりました。まずは目次を掲載しておきます。 立法者・性・文明:境界の法哲学 作者:谷口 功一 白水社 Amazon はしがき第Ⅰ部 法と政治のあわい 第1章 立法者の人間学 第2章 党派性と公共性 第3章 ミル・代議制・中国 補章 面白うて、やがて神聖なる喜劇 第Ⅱ部 性の越境 第4章 ジェンダー/セクシュアリティと公共性 第5章 性同一性障害特例法の立法過程 第6章 宴のあとに――立法所感 第Ⅲ部 文明のボーダー 第7章 郊外の多文化主義 第8章 ミートボールと立憲主義 第9章 モスク幻像、あるいは世界史的…
どんなことでも文章にすると、何がしかの嘘に染まるような気がする。嘘は言い過ぎにしても、どうしても捨象せざるを得ない事象が生じる。完璧な文章というものは存在しないのだから、致し方ないことではあるが。 昨日の拙記事を書いて、どこか嘘を吐いたような気分になった。決して積極的に嘘を吐いたわけではないのだが、肝心なことに触れていないような… www.watto.nagoya たまたま今日(9/12)、こんなツイートがタイムラインに流れてきた。FF外から引用失礼します。 5年前にワロリンスと雑談してる動画が何故か出てきて、2人とも馬鹿過ぎて笑える。(当時のブログ収益、ワイが200万くらい、ワロリンス400…
鶏も夏バテになる、そんな猛暑が続く日々。少しでも外に出れば汗が体中にべったりと纏わりつく。日本の暑い夏である。日焼けをしたいと願っているが、赤くなるだけ。皮は剥けるが痛みはない。 汗が臭いのは困るので、サウナに入っていた。実際には去年の冬から通っており、とある有名なサウナに入った4月には長時間入り始めた。 サウナ室には階級がある。手前から奥(もしくは暖房の近く)という軸に加え、1段目から最上段までの軸、そして時間の長短で構成される三次方程式により格付がなされる。私自身は奥の最上段が多いが、時間は10~15分程度。つまり、弱者である・・・。 実際のところ、そんな格付は大して意味をなさない。何故な…
〇息子と二人で、初めてインドに行ってきました。来年大学受験の息子と海外に行けるのは、今年しかありません。もちろん公費などは使わず、コロナ禍で溜まっていたマイレージを使い、移動は鉄道やリキシャーを乗り継いだ貧乏旅行をしてまいりました。 三島由紀夫の最期の小説『豊饒の海』の『奔馬』に出てくる、ガンジス川のほとりの聖地バラナシ(ベナレス)にはずっと行きたかったので、インドの熱気と混とんに身をゆだねてきました。 【さるにてもベナレスは、神聖が極まると共に汚穢も極まつた町だつた‥・すべてが浮遊してゐた。といふのは、多くのもつとも露はな、もつとも醜い、人間の肉の実相が、その排泄物、その悪臭、その病菌、その…
人生でわたくしが出会った名言・名文 美しいことば。
本書は、三島が最後の行動に至る軌跡を、その作品に表現された思想に忠実に辿るものだが、では、その死が必然的なものであり、不可避であったかと言えば、必ずしもそうとは思わない。三島自身が政治思想の偶然性を強調している通り、『鏡子の家』に対する文壇の無理解など、本人は深く傷ついているが、今にしてみれば、くだらないと言えなくもない出来事の影響が大きく、彼の最も微妙なその第三期次第では、違った四期を迎えていたであろう。(平野啓一郎『三島由紀夫論』新潮社、2023) こんばんは。国家が、とか、天皇が、とか、三島が、とか、おそらくそんなことは1ミリも考えずに、旅先の写真とともに「めっちゃ楽しんでいます!」なん…
58話感想 皇后丹姝はひとり「どちらが孤独なの?」と、皇帝と比べている。茂則がいるよ~と言いたいところだが、立場上そうもいかず……。
ちまたにはさまざまなブックレビューであふれています。 そんななか存在する「作家が書いた書評集」。 プロフェッショナルが語る「本音」が読める貴重なものです。 心の奥に響く本音のレビューを読む「たのしみ」。 また、そこで取り上げられた本自体の「おもしろさ」。 それらには格別な味わいがあると感じています。 〈目次〉 恩田陸の『土曜日は灰色の馬』から三島由紀夫について 昭和のエンターテイメント界に燦然と輝いた「スター 三島」 三島の小説は「舞台の上の芝居」 それをうっとりと鑑賞したい スピリチュアル系の世界でも映えわたる三島の「芸」 恩田陸の『土曜日は灰色の馬』から三島由紀夫について 『土曜日は灰色の…
中国明朝の武将。字は賓陽。浙江温州府金郷衛の出身(申欽『象村集』巻57)。倭寇討伐で頭角を現し、朝鮮での日本軍との戦い、四川での反乱鎮圧などに功を挙げた。火器運用のエキスパートとしても知られた。 倭寇討伐で活躍 西洋番鳥銃の所持 朝鮮での戦い 四川での戦い 貴州での火器普及 晩年 参考文献 倭寇討伐で活躍 康熙『平陽県志』巻一「人物」によれば、陳寅は膂力が人並み外れており、奔馬を追求して、その尾を引きずり倒して連れ戻すことができた。万暦年間(1573〜1620)に将才を見込まれて「金盤備倭」(金盤備倭把総)となり、海上で著名となったという。 金盤備倭把総は、後期倭寇が猛威を振るった1556年(…
Bob Seger & The Silver Bullet Band の1980年のアルバム Against The Wind は、私が買った洋楽のアルバム(LP)の中ではごく初期に買ったものです。実はBob Segerのアルバムは本作しか持っていないのですが、コレは何度も聴いて印象深い作品です。 この時期Segerはイーグルスのメンバーとその周辺との交流があったようで、このアルバムでも「Fire Lake」ではイーグルスのDon Henley、Glenn Frey、Timothy B. Schmitの3人がバッキングヴォーカルで参加していたり、イーグルスのアルバムのプロデューサーとして知られ…
シーズン32、第17話「ダイヤモンド強奪作戦"Uncut Femmes"」March 28, 2021 発電所にて、致命的な事故の原因となりかねない異常を発見するカール。不意にその場に姿を現したスミサーズは、見なかったふりにしてくれと口止め料にボブ・シーガーのライブのVIP席チケットを彼に渡す。カールに誘われて、共にライブに出かけるのを喜び勇んでマージに告げるホーマーだったが… <以下、ネタバレになります>