他意はない。なにを隠そう、女性の腋がことのほか好きだ。それだけのことである。 打合せの用件があって、昨年の春先までお世話になっていた大学へ、久びさに赴いた。途中、中華料理店の入口の真上に、巨大な看板が掲げられていた。どうやら隣のビルに、フィットネス・ジムが開設されているらしい。 正門では、手をアルコール消毒して、鏡状の体温測定機の前に立ってから、守衛所に向う。あたりに立哨する守衛さんがたも、守衛所内にあって入構手続きしてくださるかたも、お顔に見覚えあるかたがほとんどだ。 記帳して、入校証をいたゞき、首に掛ける。在職中は、こういうものをお預りしたことはない。出勤簿代りの教職員入構台帳にサインして…