「今の子どもに“物語”の楽しさや価値を伝えたい」――これはこのあいだ少しお話することがあった、ある若い国語の先生が述べていたことです。 この先生は、つぎのような話をされました。 「今の子どもは、自分が子どもだった頃(10年~10数年前)以上に、インターネットの短い動画やゲームの影響が強い。じっくりと小説やマンガの物語を味わう読書の経験はもちろんのこと、テレビでアニメを観ることさえ減ってきている(「マンガを読むのは今や立派な読書」ということ)」 「たしかに、ゲームのなかには物語の要素を含むものもないわけではない。しかし、子どもたちが興味を持つコンテンツにおいて“物語”の占める地位は確実に低下して…