■『白痴』(ドストエフスキー、米川正夫訳、岩波文庫、改版1992)を半世紀以上たって再読しました。 初読はたぶん、10代末の頃か。きっかけは、小林秀雄のドストエフスキー論に引用されている夢についての洞察が何頁にあったか、正確なところを、自分の仕事の必要上、知りたかったから。 というか、拙著『夢の現象学・入門』(講談社選書メチエ、2016)の冒頭で引用しておきながらも、小林秀雄からの孫引きで済ませていたので、原典完でのでの頁数を知ることが必要になったから。下巻の半ば近くまで読み進めて、やっと見つけました。「夢からさめて、すっかり現実の世界に入ってしまったあとで、何かしら自分にとって解くことのでき…