孤宿の人

孤宿の人（上） (新潮文庫) 作者:みゆき, 宮部 新潮社 Amazon 孤宿の人(下) (新潮文庫) 作者:みゆき, 宮部 新潮社 Amazon あほうのほうの、ほうです。 名前の由来がひどすぎる。 丸海藩（まるみはん）では子供のお使いをおまめさんと呼ぶ。かわいい。 あんたその場に居たのかというような自信満々な口ぶり。いるいるそういう奴。 気が済むまでぷりぷりさせとくしかない。処置なし。こういう時はそれが一番。 人が悪事をするのは自分の勝手。鬼や悪霊のせいじゃない。理性的に判断できる人ってどんだけいたのかね、この時代。 正すことよりも受け止めてやり過ごせるよう知恵を使う。賢く生きなきゃね。 …

しょうちゃんの読書日記パート38は、宮部みゆきの長編時代小説「孤宿の人」です。幕末に長期間丸亀藩に幽閉されていた幕臣の鳥居耀蔵がモデルともいわれていますが、あくまで一面的な見方で、金比羅参りの途中に置き去りにされた9歳の少女の奉公先での過酷で不吉な？出来事を描いた作品です。今も昔も悪知恵が働く人間は大勢いて、子供の奉公には想像を絶する大変さがあったと感じましたが、一方で政府高官の流罪は島流しのイメージとは異なりお客さん扱いで、外出などの自由はないにせよ、丁重にもてなされていたと思いました。特にストーリーの最後には感動しましたし、人物や風景の描写が絶品だと感じました。