風変わりな教師だった文学者の伝記が卒業生の手で出版された。高草木光一著『書かれざる戦後思想―元学徒兵・亀島貞夫の躓きと希望』(花伝社)である。「ある『わだつみ世代』の蹉跌と、『種まく人』としての生き様」「戦争のリアリズムが薄れゆくなか、圧倒的な教養と強靭な思索力で俊才たちを感化した伝説の国語教師、元群馬県立前橋高校教諭・亀島貞夫。作家として、評論家として類まれな才能と独自の思想をもちつつ、文壇とは距離を置き市井に生きた亀島の思想遍歴から、戦後という時代を照射する」と本の帯に書かれている。高草木氏は慶応大学名誉教授。 人は人の間に生まれてきた。だから… 前橋出身の映画監督・小栗康平氏は2013年…