2014年12月号掲載 毎日新聞地方部編集委員/藤原章生(当時) ここ2週間余り、風邪で臥せっていた。のどの痛みから始まり、37度台の熱にせき、たんがともなう、典型的な風邪だが、ずいぶんと長い。風邪薬や抗生物質をのんでも完治しない。単に抵抗力が落ちているようだが、何年かに一度、こういうことがあるので今回もそのパターンだと思う。 例えば、南アフリカや、メキシコを離れる直前、ギリシャ危機の取材が山を越えたころに、同じようなことがあった。その例から見ると、長い緊張から解けたあとに必ず起きている。熱心に仕事をして走り回っているときではなく、「そろそろ終わり」「山を越えた」という時期を選んで、このパター…