春の夕に、大学の研究室にしゃれ者の刑事法専攻Oが大きなカバンを抱えて現われ、自分の机の前でほっとした顔をしていた。 私「うん?ずいぶんお疲れだね?」 O「うん・・・次の雑誌に出そうって思ってる論文のことを師匠たちと議論しててさぁ・・・つかれちゃってなぁ・・・」 私「あぁ・・・」 O「なぁ・・・のりも・・・ 『宝引きやさあと伏見の登り船』(山隣)っていう俳句・・・ 知ってる・・・?」 私「え・・?なんだよ・・・それ・・・?」 O「いやぁ・・・師匠との話しでさ・・・ 俺の研究テーマって『刑事法における違法性』だろ・・・ それでな・・・ 違法の一つの類型としての賭博の問題をとりあげたときにさ・・・ …