「このたびは、左記の資料をご寄贈いただき、誠にありがとうございました。厚くお礼申し上げます。ご寄贈いただきました資料は、当館の蔵書として…」 館長名を記し、図書館印を押した型通りの寄贈お礼の文書。平成10年12月4日、80円切手を貼って、表書きも差出人も私の筆。 図書館から送ったこの文書が、今は、私の手元で眠っています。 ~ ・ ~ ・ ~ ・ ~ 23年前のできごとでした。 『山の向こうから鬼が来る 荒木一宏遺稿集』(H10.10.31発行/非売品)の発行を新聞で知って、寄贈の依頼をしたところ、その翌日、ご両親が小さな図書館を捜して、遠路、わざわざ本を届けに来てくださいました。 中編小説二編…