その場では、なにげなく礼を申し、なにげなくディスクの配布を受けたのだったが、帰宅してから開いて中身を読み、落着いて考えてみると、たいした労作だ。 他界した学友の遺稿集をまとめようという企画があって、その第一弾が、数名の骨折り人すなわち仲間交友の首脳陣の手によってデータ化された。数日前の酒宴の席で、ディスクが配布された。ご遺族や関係者に対しては、見映えのよろしい書籍のかたちでお示しすれば悦ばれるかもしれぬが、それは今後の課題であって、時間・手間・技術・予算ほか、諸般の事情でひとまずデータ化が達成されたというわけだ。おまけに発表紙誌や発表年月まで一覧できる収録目次の付録つきだ。 この形式であれば、…