高校生時分の仲間たち七人が寄っての梅雨祓い。心安い店のふたテーブルを拝借して、思いおもいの飲食料を持寄る形式での飲み会だ。 ご店主が先ごろ巨きな治療からご退院なさったばかりで、まだ本調子でない。にもかかわらずビールと刺身大皿と乾きものとをご用意くださった。それに氷と炭酸と水。あとはすべて各自持寄りとの企画になった。細やかな手分け分担なんぞの算段をする顔ぶれではない。 案の定ワインが来るバーボンが来るジンが来る焼酎が来る。飲み盛りだった頃の記憶だけは消えぬものと見え、酒瓶の林立である。かような光景はあらかじめ眼に見えていたから、私は酒類を避けた。出汁巻玉子焼、小肌の酢漬け、ポテトサラダ、ワサビ漬…