自閉スペクトラム症(ASD)の人は,人とのコミュニケーションにおいて,自分の気持ちや望んでいることを相手に伝えたり,相手の気持ちを読み取ったりすることが苦手あるいは難しいという特性を有する。前者は自分の「感情」あるいは「気持」に気づくのが難しく,またそれに気づいてもそれを言語化するのが難しいから,後者は相手の表情や声のトーン,身振り手振りなどから,その人の「感情」や「意図」を理解する能力に困難があるためとされている。 本ブログでは,ASD的な資質をもつ賢治が自分の気持を相手に伝えたり,相手の気持を読み取ったりすることの困難さに直面したと思わせるエピソードを紹介する。 賢治の心象スケッチ・詩集『…