発達障害は主として自閉スペクトラム症(ASD),注意欠如多動症(ADHD),学習障害(LD)の3つがよく知られているが,これらとよく合併するものとして「発達性協調運動症(Developmental Coordination Disorder ;DCD)」というのがある。DCDは運動の苦手さや手先の不器用さを特質とするものである。具体的には,歩き方がぎこちないとか,体育での縄跳びや鉄棒,跳び箱,ボール運動だけでなく,箸などの食事動作,靴紐を結ぶ動作,字を書くなどの書字動作など,日常生活の動作においても,運動の遂行が上手くいかないことがあるとされる。 協調運動とは,手と足,目と足など別々に動く機能…