元禄7年12月13日。未刻(午後1時)過ぎ、文左衛門は仲間と共に三左衛門殿へ参上する。そしてお言いつけの条目を承る。佐伯奥左衛門がこれを読み上げる。読み上げている間は三左衛門殿は奥へと入られる。近頃、栗木甚右衛門世倅同名円右衛門が乱心し、暇を乞う。世間では嶋崎新平は浅はか、ほら吹き、その上人をたばかる大名人と言っていた。弟勘助ととともに昼夜ともなく御頭六郎左に取り入っていた。勘助は2・3日ほどずつ家に泊り、家来同様にしていた。先ごろも、六郎左が寺参りの帰りと新平宅に立ち寄った。