開始早々に2失点した。 相手チームとは過去4回対戦していて、1勝3敗だ。 保護者からはため息とともに「やっぱだめかー」のつぶやきももれる。 しかし子どもたちの心はまだ折れていない。顔を上げ、声を掛け合う。こういうところにも子どもたちの成長を感じる。 チームのエースにボールが渡った。彼はサイドを駆け上がり、前に出てきた相手チームのキーパーを抜くと力強いシュートを放った。 子どもたちからも保護者からも歓声があがる。 私も隣に立つママ友とともに喜びを爆発させた・・・ ふりをした。そしておそらく私の隣のママ友も。 この感情は、少年団の母以外には伝えにくい。 『アルプス席の母』の主人公、秋山菜々子は女手…